リハビリスタッフの視点から車椅子を選ぶポイントについて解説します

福祉用具

こんにちは😁“いが”です^^

私は年間100名以上の患者様が入れ替わる総合病院の回復期病棟で4年、その後在宅のリハビリへと分野を移し社内で1番の訪問件数をこなしながら5年目を迎えています。

私達が普段から良く目にする福祉用具のひとつが車椅子です。

この車椅子には大きく分けて“自走用車椅子”と“介助用車椅子”、“電動車椅子”の3種類に分かれています。

そこからは、立ち上がると自動でブレーキがかかるものであったり、血圧変動にも対応できるようにリクライニングが出来るものなど、細かくご本人様の体や能力の状態に合わせて選ぶことが出来ます。

車椅子を選ぶ際の最も最適な方法は、ご本人様の体の状態が分かるリハビリスタッフと、車椅子を取り扱っている福祉用具業者の視点を合わせて判断されると、ほぼ間違いないと思われます。

今回の内容では、リハビリスタッフの視点で車椅子を選択する際のポイントについて解説したいと思います。

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用途による車椅子の選び方

<自走用車椅子>

車輪が大きく車輪のそばにあるハンドリムというバーを掴んで車椅子を操作できます。

多くの方がこの車椅子を利用されており、用途としては“おひとりで自由に移動“が出来ます。

しかし、自由度が高い分、リスク管理の能力が低下している場合には、車椅子への乗り移りの際に転倒してしまうことがあります。

この転倒の原因の多くは、認知機能の低下に伴う“ブレーキのかけ忘れ”なのですが、立ち上がると同時にタイヤがロックされる特性を持った車椅子もあり、対策が可能な場合もあります。

また、長時間の車椅子利用による褥瘡(床ずれと一緒)のリスクもあります。

褥瘡になってしまうと、その傷口から感染してしまい命の危険にも繋がってしまうので、定期的な除圧(お尻を座面から浮かせて休ませる行為)や褥瘡になりにくいクッションの利用により対策していきます。

<介助用車椅子>
この車椅子の用途は“介助者に車椅子操作をしてもらう方“向けのものになります。

ご自身で操作しなくて良いので車輪が小さく済み、軽くて小回りが効くことが特徴です。

また、リクライニング機能のついているものもあり、こちらの用途は“体の状態があまり良くない時“に利用されます。

例えば、ご本人様による姿勢保持の能力が低かったり、血圧の変動により気分が悪くなった場合に、上半身を倒せたり足を持ち上げられたりと安楽な姿勢をとり対処する事が出来ます。

<電動車椅子>
この車椅子の用途は“自走出来る能力が難しい方”に向けたものになります。

例えば、神経難病で思うように体が動きにくい場合や、心臓に負担をかけてはいけない場合などが考えられ、肘掛の部分にあるレバーを操作する事で少ない動きや力によって電動で動く車椅子です。

周りに人がいる状況では瞬時の動きや狭い場所での繊細なレバーコンとロールが必要であり、比較的高めの状況判断能力が必要になります。

電動車椅子によって生活の質が向上した例をひとつお伝えしたいと思います。

生まれつき脳性麻痺の診断を受けており、移動はいつも介助用車椅子で親に手伝ってもらっていました。

しかし、現在は小学生となり電動車椅子と出会ったことで世界が広がり、自分で好きなように移動できることをとても楽しんでいます。

ここに至るまで、多くの電動車椅子操作練習を繰り返して来ています。

頑張り次第で世界が広がる可能性をこの素敵なエピソードから学ぶ事ができました。

車椅子はあくまで移動手段です

車椅子は名前に“椅子”と付いているので、椅子の代わりにもなりそうな気がしてしまうと思います。

ですが、はっきりと断言すると“椅子の代わりにはなりません!

あくまでも、移動の為に利用して欲しいと思います。

というのも、骨盤が安定しない構造をしているからです。

どうしても、車椅子の構造上猫背になってしまいます。

その状態で食事をすると誤嚥の危険性が高まったり、呼吸も適切に行えなくなる可能性があります。

褥瘡も起こりやすくなったりと車椅子に長時間座っている事のリスクは高いので、用途に合わせた活用をオススメ致します。

終わりに

今回はリハビリスタッフの視点から車椅子についてのことをお伝えさせて頂きました。

用途によって、最適な状態にセッティングする事はご本人様の生活の質を守ります。

車椅子を正しく活用することで活動範囲が広がり、生活の質や幅をより良くしていけますので、是非今回の内容を参考にしてみてください。

皆様からのご質問やご意見などを大募集してます!
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