【他職種】訪問看護師に聞いた現場のリアル

訪問リハビリ

こんにちは😁“いが”です^^

私は年間100名以上の患者様が入れ替わる総合病院の回復期病棟で4年、その後在宅のリハビリへと分野を移し社内で1番の訪問件数をこなしながら5年目を迎えています。

今回は、ご利用者様の体調管理や服薬管理など健康全般を守っている訪問看護師の方に、私が様々なことをご質問させて頂きました。

私達リハビリスタッフは、訪問看護師としっかりと連携をとりながら、ご利用者様の在宅生活をサポートさせて頂いています。

ご利用者様の生活が少しでも楽になるよう介入を行なっていく上での大切にしている視点や価値観などを中心にお聞きしたいと思っています。

皆様の健康面だけでなく、24時間いつでも緊急時に対応して頂けると言った、精神的なサポートも十分に行ってくれます。

そんな、訪問看護師を是非身近な存在として知って頂けると嬉しいです。

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対談相手の略歴について

ナース歴は16年(14年間病棟勤務:管理職経験4年、訪問看護師歴2年)
現在の訪問件数は1日平均5件程度
24時間緊急対応や看取り看護も行っています

訪問看護とは

訪問看護とは、看護師がご利用者様のお宅に訪問し、その方の病気や障がいに応じた看護を行うことです。

主治医の指示を受け、病院と同じような医療処置や健康状態の悪化防止・回復に向けて支援し、必要に応じて24時間いつでも緊急対応できる事業所もあります。

また、自宅で最期を迎えたいという希望に沿った看取り看護も行います。

病院での管理職から訪問の看護師になった理由は

病院時代に、入院している患者様が家に帰りたいという希望を持たれていても、実際に帰れないという場面に遭遇する事がありました。

その時に、一体何が帰れない原因なのかという事に疑問を持った事が、訪問の領域に興味を持ったのきっかけです。

そして、帰れない原因は各ご家庭で様々であることが分かりましたが、実際に訪問を経験して一番思う事は、病院の時点でその方の退院後のADLや生活を見越したケアが大切だということに気付けました。

というのも、病気を完治させて退院出来たものの、ADLがガクッと落ちてしまっている状況と遭遇することもあるからです。

どんな瞬間にやりがいを感じますか

毎日感じています。

ご利用者様が笑顔でいてくれるだけで、とてもやりがいを感じています。

人の優しさに触れる機会が本当に多くて嬉しいです。

質問コーナー

どのようなご利用者様が多いですか

一番若くて50代ご利用者様から最高齢は102歳まで幅広いご利用者様がいらっしゃいます。

一番多い対象者は、80代で一人暮らしの方が比較的多く、健康管理や服薬管理のご依頼が多いです。

どのようなニーズや希望が多いですか

ご家族様のニーズとしては、何かあった時の心配の解消が主となります。

そして、ご利用者様が一番喜んで下さることは、“人とおしゃべりが出来るということ”に、価値を感じられている方が多いです。

ご利用者様の悩みで多い内容はどのようなことですか

高齢者が多いので、ご自身で体調が悪くなっているということ自体に気付かれていない場合が多いです。

具体例としては、

脱水
薬の飲み忘れ
血圧の変動
室温管理(夏場にストーブが付いている、極寒の中ストーブの付け方が分からず震えている)
湯たんぽによる低温火傷


などの状況がありました。

他職種との連携で大切にしている事はなんですか

他職種連携は本当に大事です。

現在はコロナの影響もあり顔が見えない相手とのコミュニケーションを取るという事が難しさを感じます。

連携のポイントはお互いの気遣いが大切で、細かい事でも連絡をとって確認するようにしています。

お仕事の上で気をつけている事や大切にしている事はなんですか

ご利用者様が高齢のため、ご本人様の意向よりも周りの意向(ご家族様や専門家の診断など)により、ご本人様が置いてけぼりになってプランが進んでしまう状況があります。

そうならないように、ご本人様の希望や想いをしっかりとキャッチする事を一番意識しています。

病院などの治療がメインであれば、ある程度病院やドクターの意向が重視されますが、在宅の場合にはご本人様ありきで物事が進められるということが、とても大切だと感じています。

印象に残っている症例とのエピソードはありますか

エピソード①
がんの末期で奥様と2人暮らしで在宅生活をしている方でした。

今の医療では予後を伝える事がスタンダードなのですが、奥様の希望で予後は聞かないという選択をされているご家族様でした。

結果としては、ご本人様の生活スタイルも変える事なく、ギリギリまで在宅生活を過ごすことが出来ました。

そして、奥様からの最後の感想として「予後を聞かなかったから、ギリギリまで家で過ごせたと思う。もし、聞いていたらここまで頑張れていないかもしれなかった」という言葉を聞きました。

そのエピソードから、予後を知らないという選択も状況によっては有効であるという事が勉強になりました。

エピソード②
肺炎で入院されていた90代の方がいまして、ほとんど寝たきりの状態となってしまい痰の吸引やおむつ交換など医療的処置が必要な状況でした。

そのような医療的な処置もありリスクの高い状況ではありましたが、ご本人様の希望として家に帰りたいという想いを持たれていました。

そして、ご家族様の覚悟もあり、家での介護と24時間緊急付きの訪問看護やドクターの体制をしっかりと整えることによって、結果的に家で看取ることが出来ました。

このエピソードを通して、在宅で看取る際に一番大切な事は、ご家族様の心構えと覚悟が大きいという事を学びました。

実は在宅復帰し看護や医師による見取りのサポート体制が充実していたとしても、状態悪化でご本人様が苦しそうな状況になった時に、冷静に対処出来ずに救急車を呼んで病院に逆戻りというケースが多いようです。

その事から、大切なことは専門家の私たちがご家族様に対処法などをしっかりとお伝えし、イメージして貰えることがとても重要であると勉強になったきっかけのエピソードでした。

お仕事をしていて一番大変な事はなんですか

限られた環境や物品の中でやりくりする事です。

ですが、そこが腕の見せ所でもあり、同時に楽しい部分でもあるんですけどね。

また、ご家族が求める理想像とご本様が実際に出来る能力にひらきがある場合に、ご本人様の現状に合わせた目標や生活水準をご家族様にご理解頂く事は大変な場合があります。

訪問看護のご利用を検討されている方に一言お願いします

事業所やケアマネジャーとの関係には、相性があるのでまずは取り組んでみて試してみるといいかもしれません。

普段の会話や雰囲気で、健康状態の判断はこちらで出来るので、ありのままの姿を見せてもらえれば大丈夫です。

終わりに

今回は第二弾として、他職種の方からのご意見を頂く事が出来、私自身も多くの学びと気付きを得る事が出来ました。

※第一弾のケアマネジャーへのインタビュー記事はこちらからご覧頂けます。

在宅生活を支えるプロの価値観や実際の体験談を多く盛り込めた内容となっています。

今回の記事を通して訪問看護師さんとも、身近な存在として相談しやすく人生をより良くしていける協力体制を築いていけるお手伝いになれれば嬉しいです。

皆様からのご質問やご意見などを大募集してます!
記事の内容のリクエストや実際のリハビリに関するご質問など頂けましたら最大限のサポートを致したいと思います✨

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