【実践編】静かに優しく座る事で背骨の圧迫骨折を防ぎます

実践 リハビリメニュー

こんにちは😁“いが”です^^

私は年間100名以上の患者様が入れ替わる総合病院の回復期病棟で4年、その後在宅のリハビリへと分野を移し社内で1番の訪問件数をこなしながら5年目を迎えています。

高齢になると骨が弱くなってしまうので、ちょっとした事でも骨折になってしまう場合があります。

その中でも、背中や腰の圧迫骨折の割合は比較的多い状況です。

そして、転倒してしまったという理由が分かっている場合もあれば、“いつの間にか骨折”していたという場合も少なくありません。

その、いつの間にか骨折してしまう場合の原因として一番に考えられる事は、“ドスンと座った時”です。

この、座る動作が安全に優しく行えることで、圧迫骨折の発生を防ぐ事が出来ますので、皆様にも実践して頂けるようにお伝えしていきたいと思います。

スポンサーリンク

静かに安全に座るコツは、“手は膝に”です

座るという動作は、お尻が椅子の上にしっかり到達するまで、ご本人様が動きをコントロールできているという事が、とても大切となります。

在宅の現場では、よく“ドスン”と座ってしまう場面を見掛けますが、これは座る動作の途中でご本人様が動きをコントロール出来ずに、椅子に倒れ込んでいるようなものなのです。

この“ドスン”と座る状況は比較的軽視されがちですが、実はコントロール出来ていないので“椅子に転倒”しているような状態となります。

よって、圧迫骨折といった怪我に繋がってしまうのです。

体のバランスをコントロールする為に大切な要素が、“足の範囲内(支持基底面)”に“重心”がしっかり収まっているという事です。

例えば、後ろにバランスを崩した時に反射的に腕が前に出たりします。

これは、重心が後ろに移動しそのままでは足の範囲から外れて転倒してしまう状態を、腕を前に出す事で重心が前に引き戻されて丁度釣り合いが取れる為、転倒せずに済みます。

この、バランスの取り方が、今回のタイトルにもある「 静かに安全に座るコツは“手は膝に“」に繋がります。

座る動きでは、真っ直ぐ立っている姿勢から、お尻を後ろに移動させる行為です。

この時に、お尻以外を真っ直ぐのままにしておくと、お尻分だけ重心が後ろに集まるので、そのまま対処しないでおくと、いずれは“ドスン”と椅子に倒れ込んでしまいます。

そこで、お尻の動きと同時に前の方へ重心を移動させる動きを追加して、バランスを保つ必要があるのです。

そのコツが座る際に“手を膝に置く”というものになります。

これを意識するだけで、自然と体は適切なお辞儀の姿勢をとってくれますので、お尻が椅子の上に到達するまで、コントロールを失わずに静かで安全に座る事ができます。

認知機能の低下も圧迫骨折を引き起こす要因のひとつです

ここまでは、理論をもとに“座る行為“を解説させて頂きましたが、認知機能が低下してきている場合には、この説明を行ったところでご本人様が実生活に反映させる事は難しいです。

理由としては、認知機能が低下してくると、同時に複数のことに注意を払う事が難しくなるからです。

座る時にこういうところに注意しながらゆっくりと、、、という具合にはならないのです。

例えば、まだ、椅子まで距離があるにも関わらず、座ろうと腰をおろし始めて慌てて介助したという経験がある方もいらっしゃると思います。

これこそが、まさしくひとつの事に注意が向いて即行動という現象になります。

よって、認知機能が低下している方に対しては、“体で覚えるまで同じ動きを繰り返す”事が大切になります。

座るタイミングで周りの方が一言“手を膝に置いて座ってね”と声をかけてあげて下さい。

その繰り返しにより定着していける事が望ましいと考えます。

もし、繰り返しの声かけでも、全く効果が得られない場合には、“張り紙”を活用してみることもオススメとなります。

座る時に目に入る位置に「手は膝に」というような文面をセッテイングされることも、骨折の予防に繋がる可能性が高まります。

終わりに

今回は、在宅での骨折受傷理由の中でも比較的多いとされる、“背中や腰の圧迫骨折”を予防する為の座り方についてお伝えさせて頂きました。

静かに安全に座る為の“手は膝に”を意識しながら、怪我のない毎日をお過ごし頂けると嬉しいです。

皆様からのご質問やご意見などを大募集してます!
記事の内容のリクエストや実際のリハビリに関するご質問など頂けましたら最大限のサポートを致したいと思います✨

    コメント

    タイトルとURLをコピーしました